第一章 運命が聴こえる

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 人生は退屈だ。だからこうして遊んではみるが、何ひとつ憂鬱の雲は晴れる気配がない。一体何時までこうしていなければいけないのか、早い所地獄から迎えが来てくれないものか。最近そんなことばかり考えているからか、単に外に出ないからなのか、眠る事ができなくなった。  眠れない日は酷く身体が重く、何をするにも憂鬱で、そんな日は楽しい事をしたくなる。それが今さっきのような事。携帯でその手のサイトを使い、その時の気分に合う相手を見付けてはここに呼び出す。街から少し離れた雪原にぽつりと佇むこの家に来る事は難儀だと思うのだけれど、不思議と高確率で来てくれる。  だが、それも一年経った今はもうマンネリ化してしまって、最近では新しい玩具はないものかと思案中だ。
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