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真っ赤に染まったバスタブはもう使えない。
シャワーで。
そう。
これからはシャワーで。
体の汚れを落とせばいい。
バスルームに長居は無用。
できない。
背中がざわつくから。
でも、まだ逃げ出せない。
血抜きを終えたモノを、何とか処分しなくてはいけない。
でもコレ、どうしよう。
重くて、わたし一人ではバスタブから引きずり出すこともできない。出したところでどうすればいいか。途方に暮れる。
重いから。
取りあえず、軽くしたい。
わたし一人で運べる大きさに切り分ける。線を引くように、表皮にナイフを走らせる。肉を露出させる。現れた肉を削いでいく。関節は小型ノコギリで切り外し、内臓はシャワーで洗いながら細かくしていく。排水菅を詰まらせないように、細心の注意を払う。
ゆっくり腰を据えてコトにあたれば、何とかできる。大丈夫。ここはマンション。人と人との繋がりは希薄だ。
水洗いをした肉と内臓は、できる限り細かく切る。フリーザーパックに小分けして入れる。できれば冷凍庫に。無理なら冷蔵庫に保管して、少しずつ捨てていく予定を立てる。
安売りのキャベツ、白菜やレタスを買う。葉を一枚一枚、剥がす。肉や内臓を葉の中央に載せて包んでいく。
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