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「ええ、別れさえしてくれれば結果オーライということで。
家族同士の初顔合わせで、そちらから『2人を別れさせませんか?』なんて切り出された時には、本当にびっくりしましたが……」
コーヒーを口にして、思い出すように言う女に、
「ああ…そう言えばそうでしたね…」
と、男は頷いて、
「……先に言い出したのは、私の方からだった……」
同じように、コーヒーカップを口へ運んだ。
「……なにしろ、可愛い一人娘なものですからね。簡単に結婚なんて、させたくはなくて」
話す男に、
「……私だって、それは同じですよ。可愛い一人息子を、みすみす結婚で奪われるなんて」
女が話して、ごくりとコーヒーを飲んだ。
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