第1章

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  青い空が目に眩しい季節になった。 黒の日傘に大きなサングラス、黒のロングな手袋。万全な日焼け対策だった。 30歳になったばかりの田中 麻美が現在切実に思う事のNO,1が 『日焼けしていい事は、ひとつもない』 これだった。 小学校の時は、外で遊びほうけて真っ黒に日焼けした女の子だった。 「よくもまあ、あんなに焼けちゃって」 親戚のおばさんが気の毒そうに麻美を見た。 「女の子なのに」 日焼けして親戚のおばさんに気の毒がられた理由が今ならわかる。
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