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「玉彦様と知り合いなの?」
「まぁ、はい。海へ行く話をしたらくれました」
「どういう関係?」
「え、えーと……」
鋭い視線の後藤先輩は私の答えを待っていた。
ここで昨晩と同じこと言って信じてもらえるのかどうか。
言い淀むと那奈がすかさず助け船を出してくれる。
「うちら三人鈴白だし、亜由美は御門森と付き合ってるからその関係だよ。ねっ、亜由美!」
「う、うん! そうなんよ!」
突然話を振られた亜由美ちゃんも咄嗟に話を合わせる。
「弓場ちゃん、御門森のお手付きなの!? マジかー」
がっくりと項垂れる工藤先輩を軽く足で蹴った鎌田先輩は、御札と私を見てから大沢先輩の肩に手を置いた。
「とりあえず今日一日はこの子の側にいろ。御札を貸してくれと言いたいところだけど、もしかしたらこの三人にしか効果が無い物なのかもしれない」
「ええぇー……」
この場で嫌な顔をしたのは私だけだった。
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