第四章 『新田十和子・中』

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「うわぁ~……。すげぇ……」 「さ、触っちゃいけない物とかその辺に無いよね?」 「壊しても弁償できないんだけど」 「てゆーか何部屋あんの?」 「布団足りるの?」 「やっぱり帰った方が良くない?」  総勢十人ほど。  今日の学校祭の打ち上げの為に3Aと3Cの数人と那奈が正武家へと招かれた。  と言っても最初はこんなに人数は居なかったし、そもそも正武家のお屋敷でという話ではなかった。  全ての話を拗らせたのは、誰であろう隣で憮然としている玉彦だった。  自分のせいでこうなったのに不機嫌ってどういう事よ。  おもてなしする側なんだからもうちょっと笑顔になりなさい、と口には出さずに肘でつついた。
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