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私は後ろを振り返って須藤くんに囁く。
「このあとの段取りってどうなってるの?」
「玉彦様側の母屋でもう準備してるよ。松さんと鰉が全部整えてくれているはずだよ」
「そう、なんだ」
「一応子供達には僕と多門が付くことになってる」
須藤くんと囁き合っていると玉彦と豹馬くんが退席しようと奥の襖へと進んだんだけど。
その後を立ち上がった希来里ちゃんが追いかけて、後ろから玉彦に抱き付いた。
意表を突かれた玉彦は僅かに膝かっくんされて振り向いた。
「希来里……」
「玉ちゃん! 玉ちゃん、ごーめーんなざーい。ごめーん」
「おい……」
膝をついて希来里ちゃんの目線になった玉彦は困ったように私を見る。
そんな希来里ちゃんに続いて子供達が次々と玉彦を取り囲んでごめんなさいの大合唱が始まった。
「ちょっとウケるんだけど。誰かスマホ持ってきてないの?」
困り果てる玉彦を尻目に私は須藤くんと多門に聞いたけど、持ってきてはいなかった。
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