第十一章 『亜由美と那奈と仁義と四馬鹿』

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「玉彦様と知り合いなの?」 「まぁ、はい。海へ行く話をしたらくれました」 「どういう関係?」 「え、えーと……」 鋭い視線の後藤先輩は私の答えを待っていた。 ここで昨晩と同じこと言って信じてもらえるのかどうか。 言い淀むと那奈がすかさず助け船を出してくれる。 「うちら三人鈴白だし、亜由美は御門森と付き合ってるからその関係だよ。ねっ、亜由美!」 「う、うん! そうなんよ!」 突然話を振られた亜由美ちゃんも咄嗟に話を合わせる。 「弓場ちゃん、御門森のお手付きなの!? マジかー」 がっくりと項垂れる工藤先輩を軽く足で蹴った鎌田先輩は、御札と私を見てから大沢先輩の肩に手を置いた。 「とりあえず今日一日はこの子の側にいろ。御札を貸してくれと言いたいところだけど、もしかしたらこの三人にしか効果が無い物なのかもしれない」 「ええぇー……」 この場で嫌な顔をしたのは私だけだった。
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