バラ窓の下、中庭のユリ

亜寿美ちゃんは初めはナガちゃんの親友でした。
それが５年生になって私と席が近くなると、直ぐ仲よしになりました。
小作りで色が浅黒く、目鼻のスッキリ整った顔だち。私は特に切れ長の目と唇の形が素敵だと思っていました。小さな手の指は驚くほど細くてトウモロコシの粒みたいな横長の爪が付いているのです。

　私は色が白くひょろりと背が高かったので、小柄な彼女は私の鼻くらいまでしか有りません。二人ともひどくやせっぽち。デコボコ白黒コンビです。彼女は一見大人しいんだけどギャグのセンスがブラックで、私の言うことも面白がってツボにはまると、ヒィヒィヒィと小さくヒキツけるように笑いました。