第四幕 全てを終えて

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 病に伏せ、余命幾ばくも無かったとは思えぬ無邪気な笑みを浮かべるモニカ。オズワルドは娘の頭を優しく撫でた。 「あぁ、知っているさ。へクター叔父さんがお薬を見つけ出してくれたんだよ」 「ヘクター叔父さんが!?」  モニカは驚きで目を丸くした。 「叔父さん、約束を守ってくれたのね!」 「約束?」  モニカとヘクターの間に交わされた約束。そんなものは初耳だった。 「そうよ。いつだったかしら……叔父さん、わたしのこと絶対に治してあげるって約束してくれたの。わたし、本当はあまり信じてなかったのよ。叔父さんは優しいけどお医者さんじゃ無いし。でも叔父さんに謝って、お礼も言わなくちゃ」  嬉々としてヘクターとの約束を話すモニカ。その言葉はオズワルドの胸を締め付ける。 「それが、叔父さんは旅に出ちゃったんだ。遠くの国からお呼びがかかってね」 「え~。それじゃ叔父さんにお礼言えないの?」  モニカは不満げに口を尖らせる。 「生きていればそのうち会えるさ。だから、叔父さんに貰ったこの命を大事にするんだぞ」 「うん」  満面の笑みだ。眩いほどの笑顔に、オズワルドは堪らず目を逸らした。 「ほら、今日はもう寝なさい。病気が治ったからって無理は駄目だよ」     
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