第四幕 全てを終えて

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 乱れた布団を掛け直し、優しく頭を撫でてあげるとすぐにモニカは眠りに落ちた。オズワルドは娘の頬にキスをするとメイドのもとに戻った。 「あの、旦那様。これはいったいどういうことなのでしょうか」  事態が飲み込めず困惑の表情を浮かべるメイド。しかし、オズワルドはそれに答えはしなかった。 「すまない、説明する気分になれないんだ。ただ、モニカの病気はもう心配しなくていい。今日はもう休んで良いから、少し一人にしてくれないか」 「……かしこまりました」  彼女もまたモニカの世話を引き受けている身。気にならない訳は無い。しかしメイドとしての分別も持ち合わせていた。深く追求することは無く、一礼を残すと主の命に従って自室に戻っていった。 「騎士は善なる存在だ。俺は騎士として正しかった」  自分に言い聞かせるようオズワルドは呟いた。彼は法に従った善なる者だ。それは間違いない。 「だが、父親として……正しかったんだろうか、俺は」  自分に向けられた無邪気な笑みが脳裏に焼き付いて離れない。全てに代えてもあの笑顔を守るのは父親の役目ではなかったのか。オズワルドは答えを出せぬまま立ち尽くすのみだった。
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