第二幕 捜査

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「しかし、我々は騎士に憲兵。法と秩序を重んじる者だ。それが自ら規範を破り、嘘の報せを流すと言うのはどうだろう」  顔を輝かせる憲兵にオズワルドは厳しい眼差しで続けた。 「君の提案に私欲が無いことは承知している。市民の安全を図る。確かにそれも君の責務だ。しかし目的の為に手段を選ばないのでは無法者と同じだ。我々は法と秩序を重んじる善なる存在でなければ、市民に示しがつかないだろう」  朗々と語られる清廉な言葉。憲兵はいささか不愉快そうな表情を浮かべた。 「綺麗ごと……と思うか?」  その表情を見逃さなかった。オズワルドは問いかけるが、憲兵は答えなかった。 「確かに綺麗ごとだ。事件を防ぐことも出来なかった騎士の戯言と思って貰っても構わん。だが、その綺麗ごとに拘れなくなったら終わりなのだ」  それだけ言うと憲兵を下がらせる。 「モーガン、魔法陣についての調査はどうなっている」  オズワルドが声をかけると、床の魔法陣を丹念に調べていた憲兵が立ち上がった。 「禁呪にまつわるものですから、あまり詳しいことは。ですが、どうやら各事件現場に描かれている魔法陣は、儀式の一部に過ぎないようです」 「禁呪、か」     
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