三日目

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 ああそうか、妻が必要ないといって台所には蛍光灯をつけなかったのだ。寿命と判断して瞬いてもおかしくはない。 蛍光灯をつけてみれば解決する。その旨を妻にメールした。  思考盗聴を含めた妻の症状に関してネット検索したところ、統合失調症という言葉に行き当たる。  今までの妻の言動と行動がぴたりと当てはまった。  市の精神保健センターに電話すれば相談に乗ってくれることを知り、電話番号と場所を調べたところで携帯が鳴った。  相手は探偵所の人だった。  昨日キャンセルの電話を入れたことの確認だったのだろうかと思いきや、僕がアパートを出た後に妻は改めて依頼したらしいのだ。  で、アパートの近くまできたけれども場所がわからないので教えて欲しいと言ってきた。  やんわりとお断りの返事をするも相手はしたたかである。  自分の人生の線路がどこかで破滅への道筋へと切り替わった感覚がしたが、まあ仕方ないと思い、場所を教え、すぐさま妻へ電話する。  依頼などしていないと始めて妻が僕に嘘をついた。  もちろん、今まで妻が僕に嘘をついたことなどはないということはないのもわかってはいるのだが、さすがにショックだ。  気の済むようにやってくれればいいと返答し、精神保健センターがいろいろ相談に乗ってくれるみたいだから電話してみたらと言い、電話を切る。     
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