二日目

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二日目

 昨日の夜はよかったが今朝もやはり盗聴の話が始まる。 「だったら調べてやるよ」と切れそうになりながら話す自分に「調べなくってもいい」と返事する妻。  盗聴されていると信じているのに調べないというのは矛盾しているのだが、どうしてそう言うのかよくわからない。 「自分が間違っているのがはっきりしてしまうのが怖いのか」とこちらもぶち切れ状態だ。  どうしたらいいのだろう。  妻は決して元気な状態ではなく微熱が続いたままでそちらも心配だ。  そうこうしているうちに妻のパートの面接の時間が近づいてきてしまったので妻は面接を受けに出かけていく。  僕は本を読みつつ昼寝をする。  途中、携帯を持たないで出かけた妻が公衆電話から電話をかけてくるが無視して寝る。今にして思えばなんとひどい奴だったのかと思うのだが、このときは仕方なかった。  再び電話が入ったので今度は仕方なく出た。 「○さん? ほんとに○さん?」と電話の向こうで妻がそう言った。 「黙って聞いて。思考盗聴されているの」 ――気がふれた。  これが妻の言葉を聴いて頭の中をよぎった言葉だった。     
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