二日目

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「ネットカフェでいろいろ調べたの。そしたら思考盗聴されている人が書いているページがあって、それがわたしとまったく同じなの」  しゃべりながらしだいに泣きじゃくる妻をなだめ、そのときになってようやく僕は妻の話す言葉を無条件に肯定することをした。  いつもならば妻の言動を否定するはずなのだが、否定することなどできなかった。それしかできなかった。  ひたすら相槌をうってはなだめ、そして大丈夫だと話しかけ続けた。  心の思いを吐き出しつくしたのか、否定せずに素直に聞いてあげたことがよかったのか、落ち着きを取り戻した妻は、これから帰るといって電話を切った。  妻は落ち着いたが僕はパニックに陥った。  妻の実家に電話をし、義母にこのことを話す。  今度は僕が泣く番だった。  すみません、お義母さん。僕の話を聞いた後で今度はお義母さんが苦しむことなど考えませんでした。しかしそこはやはり気丈な義母だった。  帰ってきた妻に思考盗聴などありえないと話し落ち着かせる。今から思えば僕の説明など何の効果もなく、むしろ電話で妻の話を否定せず聞いてあげたことが妻の安心につながったのではないかと思う。  気分転換に夕食を食べに行こうと外へ連れ出し、妻と食事をする。     
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