四日目

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四日目

 朝から妻はネットを検索してなにやらメモを取っている。なんなのかと思い覗き込むと、思考盗聴に関してと電磁波についてだった。  妻は階下の住人が自分に電磁波を浴びさせているから声が聞こえていると思い込んでいる。  僕は早く支度しないと病院で診てもらえなくなるよと支度を急がせるが「そんなことどうでもいい。第三者に知らせておかないとわたしも○さんも抹殺されてしまう。どうしよう。わたしたちだけじゃ殺されちゃう」と泣き出し始めた。  泣いている妻に僕は大丈夫だといい続け、きつく抱きしめてあげることしかできなかった。  しばらくして落ち着きを取り戻したので、まずは妻の健康診断をするために内科へと向かう。  妻が診断を受けている間に僕は精神保健センターへ電話をかけるのだが、話し中でつながらない。  電話すればすぐにつながると思った自分が馬鹿だった。昨日のうちに電話しておけばよかった、誰だ、こんなに長い時間電話をかけているやつは、ああ、でもたくさんの人が悩んでいるのだから仕方ないよなあ、でも時間がない。妻の診断が終わるまでに何とかしておかないと。早くつながれ、早くつながれ、早くつながれ。     
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