五十二日目

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 それが原因なのだ。引っ越ししてから二ヶ月間、こちらから連絡するまで何一つ連絡してこなかったのに今さら心配しているなどと言われても信じることなど出来やしない。  それ以上に、心配していると言われても、僕はどうすればいいのかわからない。これだけがんばっていて、僕はさらに、母の心配を取り除く努力までしなければいけないのだろうか。  何も手助けせずに、ただ単に心配しているなどという言葉をかけられても、僕には重荷になるだけなのだ。  電話に出ればその言葉を聞かされるだろう。だから僕は電話に出たくなかったのだ。  振り返ってみると僕は運が良かったのだと思う。  妻の言動を否定し続けていた僕が妻が病気であることに気が付いたのは、妻がネットを検索して思考盗聴などと言いだしたからだった。  入院させる必要があると思うようになったのも妻が最初の病院での二回目の診察の時に二倍の量の薬を飲むことを拒否したからだ。  あのまま、あの病院で通院治療させていたとしても幻聴が無くなるまでは行かなかっただろう。  会社の社長が仕事のスケジュールを聞いてこなければ僕はシルバーウィークで病院がしばらく休みに入ることも気付かなかった。気付いたおかげで時間を無駄に過ごさずにすんだ。  そして仕事を休むことに対して理解をしてしてくれた。     

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