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「II型アンドロイドのベータ版という希少モデルで、しかも三十数年も機能し続けたのは異例中の異例だ。オーバーホールをしなくても、簡単なメンテナンスで細々と生かしつづけることはできるだろう。どうする?あいつをガラスのケースに入れて、衆人の目にさらし続けるか。スイッチを押したら目を覚まして挨拶するような展示物にするか…。まあ、あいつを簡単に捨てたお前なら、ためらうこともないだろうが。大事な友人をそんな目に遭わせるのは、わしは反対だが、あいつの主はお前のままだ。…決めるのはお前だ、流雅。」
「…俺は…」
俺は、どうすればいい。じいがそんな見世物のように扱われるのは絶対に許せない。かといって、今のまま寝台に置いておけば、必ず起動させたくなる。その時、じいにとって俺は見ず知らずの赤の他人…。
じいにとっての、幸せとは何だ。じいは、どうしたら幸せになれるんだ。
俺の頭に、突如浮かんだ問いだった。
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