仕事 - 2

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 こんな街で血を流している彼女もそんな、絶望した一群の一人なのだろうか。美人が勿体無い。そう考える頭上では、今も集団が降り注いでいる。まるで晴れ時々人間といった様相だ。ぶつかっても一日分の労働時間を浪費する程度で大したこともない。  視線に気づいたのか、彼女はこちらを見た。そしてとんでもなく驚いた顔をする。 「そっちには近づくな、馬鹿!」  そう、彼女は凛とした声を張り上げた。
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