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仕事 - 4
「これで気持ち、ましだと思います。なんだったら一日休んでいくと良いでしょう。時間は無限にあることですし。」
「いや。」彼女は歯を食いしばった。
「何ですか?」
「無限なんて、糞くらえだ。だからこんな、こんな有様になるんだ、ふざけんな。」
彼女はいきなり激昂した。情緒不安定なのだろうか。数十年ぶりの新鮮な人間関係とはいえ、関わるとろくでもない類かもしれない。
テロスの日から今日まで、宗教家も増えた。何かにすがりたいという気持ちは共感するけれど、ああいう度を超えた類は嫌になる。
例えば、海は人類の母なのだから、そこまで歩いていこう、そのために永遠と歩き続けられる足を手に入れたのだ、と海へ消えていった宗教団体は衝撃的だった。彼らは海底の水圧とかにも耐えて進み続けられる身体だったのだろうか。少なくとも私にはそんな力はないのでそういった類なら、食いつぶされないうちに離れるに越したことはないと考えている。この世界では時間が解決してくれる終わりはないのだから、永劫に続く地獄というものが存在している。きっと彼らは深海で水圧に永遠と圧し潰されている。
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