通勤路 - 2

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 状況が理解できた順番に、毎日話していた同期のあの子もよく一緒に飲み歩いていた先輩も、何も言ってくれずに会社からいなくなっていった。  一年も経てば、好きだった、優しい人たちはみんないなくなってしまった。所詮会社での付き合いだったってことだ。それどころか、学生時代の友人たちも高熱の彼を除けば、数人しか居場所を知らない。もう電気も限定的にしかない今となっては連絡手段もない。  何が一番堪えたか。その人が、いなくなることを打ち明けられたり、見送りを頼んだり、連れて行きたいと思うような人になれなかったことが悲しい。  貧血の他に、この悲しさで動けなくなる日がある。私も会社なんて行きたくないし、どこかへ行ってみたい。  けれど唯一残った仕事という繋がりを切る勇気がない。  なんで好きなところへ行かないの、こんな素敵で幸いな状態がいつ終わりが来るのかもわからないのに仕事に時間を使うなんて、そんなに仕事が楽しいの? と問いかけられたのは何年前のことだったか。  問いかけた先輩はその次の日にいなくなった。きっとテロスの日の前から常々言っていたように、南国のどこかでひなたぼっこしているのだろう。  楽しいのか、この仕事は。わからない。
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