仕事 - 1

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仕事 - 1

 誰もいない事務所、品川の高層ビル8階に到着した。ここが私の会社の事務所だ。 「おはようございます。」  今日も返事はない。そりゃそうだろう、もうここで働いている人は私しかいないのだから。  新調出来ないカレンダーに何週目かの印をつけながら、今日の業務の準備をする。こうしないと何日経ったかわからなくなる。眠気もないため時間感覚も曖昧だ。ただ、寝るのは心地良い。これは個人の資質もあるだろう。  曜日感覚なんて三年程過ぎた辺りでなくなってしまったため、勝手に五日働いたら二日休みということにしている。今日は三日目、暫定水曜日だ。 元々は機器メーカーの営業をやっていたが、今は機器の修理を生業としている。動いている工場がとても少ない上、流通も止まっている今、新規部品はとても貴重だ。だから自社メーカーの新規部品へと交換するなんて贅沢なことはしない。適当に打ち捨てられた車の部品などを組み合わせて機器を再起動させている。クレームがあるならば、お客様受付センターにどうぞ。     
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