3/4
前へ
/7ページ
次へ
皿に盛って、スプーンで食べつつ持って帰ってきた資料に目を通しつつ、スケジュール帳とTodoリスト用の手帳とを開く。 ペンをとりあえず近くに置いて、ぼんやりと眺める。 この夏は来期の授業準備と校務とで終わりそうだな。 採点がない分、授業日のある日々よりは休みがあるかと思っていたがそうでもない。 味のしない雑炊を胃に詰め込んで、早々に手帳とにらめっこする。 ここからここまでにこの仕事をして、この日のうちにまた1週間分の食料調達して。 机がぶるぶると震えて、スマホをとる。 ピカピカと連絡通知の点滅を見つつ、アプリを開く。 ーー夏に旅行とかどうですか? 高校からの仲良し友達らのグループ連絡だった。 大学卒業の時点で、就職決まって落ち着いたら旅行に行く約束だった。 教採受ける俺のせいで二年も経ってしまったが。 「なんだかすごく懐かしく感じるなあ。」 スケジュール帳を開いてみる。 綺麗に真っ白の日などなく、その日にやるべきことをびっしりと書いた、手帳。 土曜日も日曜日も、祝日も、部活に校務にとやることばかり。 「これは行けそうにないなあ、」 俺は行けそうにない、と返事をして明日やることを確認し始める。 仕事、仕事。 やらなきゃ終わらない。 ふ、と顔をあげて時計を見る。 睡眠は4時間、最悪3時間とれればそれでいい。 「よし、」 気合い入れにコーヒーを準備して、板書計画と日程調整と、クラス便りと作り始めた。
/7ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加