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気付くと時計は3時になっていて、俺はいそいそと寝る準備を始めた。
スマホを確認してみると、返事が返ってきていた。
「まじかよ、」
「まあ、忙しいのは分かるけど、夜のご飯会も来ねぇじゃん。」
「むしろ、大丈夫か?」
ぽんぽん、とグループの中で俺抜きで俺の話をしていたようで、ひどく心配されていた。
「え、こんなもんでしょ、子どもは毎日来るんだから。」
打ちながら思わず呟いた声は、静かな部屋に消えていく。
じわじわと心に闇が広がる。
スマホで検索アプリを開いて調べる。
忙しい、休みがない、睡眠時間……。
調べれば調べるほど、「ブラック」と言う言葉ばかり出てくる。
ぽん、と軽い音がして、通知がくる。
開いてみると返事が来ていた。
「まだ起きてんの!?大丈夫かよ、」
「てかそもそも、旅行の話言い出したのお前だろ」
「一番楽しみにしてたのもお前だったし」
矢継ぎ早に返事が来る。
一番最後の言葉は、心にすっと入り込んで俺を動揺させた。
そういえば、そうだ。
働いて貯まったお金で、好きな友達たちと遊びにいくのが目標だったはずだ。
一番、やりたかったことのはずだ。
「俺は、」
ぐらぐらと、回る視界が気持ち悪い。
ぷつ、と何かが切れる音がして、目の前が真っ暗になった。
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