謝罪

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「お祖母ちゃん!久しぶり!」 私はマロンを抱っこして車から降りると、お祖母ちゃんの所へ駆け寄った。 お祖母ちゃんは笑顔で嬉しそうに 「連華。元気だったか?」 と、聞いてきた。 「元気だよ!」 「あらまぁ!可愛いワン子ちゃんだね」 「マロンて言うの」 「マロン?変わった名前だね」 お祖母ちゃんが付ける犬の名前は『クロ』や『トラ』や『シロ』だから(笑 私は、お父さんとお母さんに 「マロンと2階に行ってるね」 と言いお祖母ちゃん宅へ入った。 今は使われていない元、私の部屋は、お兄ちゃんの物が置かれていた。 お兄ちゃんの部屋は相変わらずだ。 妹は、私とお兄ちゃんの物が置かれていた部屋を使っている。 と、言っても私が置いていたのは熱帯魚用の治療水槽だけだったけど……。 私の元部屋の出窓は、玄関側だから誰が来たか直ぐに見える。 「マロン、悪戯しないでね」 悪戯っ子のマロンは、何でも口に入れてしまうから物を片付けた。 「おや?もう来たの?」 「お兄ちゃん!居たの?! 相変わらず気配消すの止めてくれる?ビックリするから!」 私は胸に手を当てた。 「なに?話し合いって聞いたけど」 「あ、うん。まぁ、色々あって……。 蓮菜(れな)(妹)は?」 「出掛けてるから居ないよ」 「彼氏とデートでしょ?」 「多分ね」 「居ない方が良いから、いいんだけど……」 「イヴは?元気?」 「元気だよ。 どっか遊びに行ってる」 「お兄ちゃん、イヴちゃん専用ブラシで面倒見てくれてるんだって?(笑」 「何で知ってる?」 「蓮菜が言ってたよ。ありがと」 「うちは皆、猫派だからね」 「犬も飼うと可愛いよ?私は、どっちも派になった(笑」 「昼飯は?食べて帰るのか?」 「多分。帰るのは夕方じゃないかな? お兄ちゃん、凖の両親も来るんだって。来たら教えて」 「はいよ」
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