謝罪

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私は、元自分の部屋だった出窓に腰掛けて窓を開けて煙草を吸った。 部屋のドアは閉めておいた。 何故って?マロンが出て行ったら困るからね。 マロンは部屋のアチコチをクンクンと臭いを嗅いで回って居た。 「マロン、そこにシート敷いたからトイレットはシートの上でしてよ? でも、落ち着かないよね……。パパが来る前に、お外にトイレに行こうか?」 私は携帯灰皿へ煙草を消すと、マロンを抱っこして階段を降り、裏の畑へ連れて行く事にした。 お祖母ちゃん宅は敷地が半端無く広いから、外に誰かが居ても叫んでも声が届かない。 「マロン!おトイレ!」 私は、裏からサンダルを履いてマロンの散歩兼トイレへ行った。 変わらないな……。 ド田舎だけど、田舎の方が私は好き。 名古屋は寒いし、暑いし住む場所としては私は苦手かも……。 マロンのお散歩とおトイレを済ませて、お風呂場でマロンの手足を洗い拭くと、台所の冷蔵庫からペットボトルのジュースを見付けて持ち、使っていないお皿を1枚借りてマロンと2階へ上がろうとした。 「蓮華」 お母さんに呼び止めれた。 「何?」 「和室にテーブルと座布団を用意するから手伝って」 「あ、うん。分かった。直ぐ行く」 私は2階へ行き、お皿に2階の洗面所から水を入れ、部屋の隅へ置いた。 マロンの飲み水。 私は、初めて名古屋に引っ越した時に思った事がある。 名古屋の水道水は、飲料水として使えない程にカルキで白く濁っていたからミネラルウォーターを買っていた。 何で飲料水を、お金を出して買わなくては行けないの?って……。 都会だから? 富士山に近い此処は、蛇口からの水道水も普通に飲めるから、当たり前だと思ってた。 「マロン、悪戯しないで良い子にしててね」 ドアを閉めると、1階へ降りた。 お母さんが和室の押し入れから座布団を出そしていた。 「手伝うよ」 「じゃあ、これ。縁側の方から置いて」 「うん。って何枚出すの?」 「6枚か7枚で良いんじゃない?」 私とお母さんは和室の長テーブルへ座布団を置き並べた。 6畳の和室2部屋の襖を開けて12畳にして、そこがミーティング室となった。
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