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それから、声はいつも泣いていて、僕は辛い。
(そんなに泣かないで? 僕のせい?)
良く分からないけど、僕が悪いみたいだ。
この人の優しい声が大好き。
笑い声は鈴みたいだ。
綺麗で大好き。
ごめんね?
産まれる前からいっぱい心配させて。
ごめんね?
泣かせてばっかりで。
ごめんね?
僕ももう、これ以上は無理みたい。
本当は知っていたんだ。
どうしてあなたが、お母さんが泣いてるか。
知らないふりしてたんだ。
しがみついて、根性出して、お母さんの声を聴いていたかったから。
ごめんね。
僕の我儘で長く、辛い思いをさせて。
だから……もういくね。
それで許してくれる?
僕のこと憶えててくれる?
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