聞こえる。

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僕には聴こえる、聴こえている。 優しい人の声。 嬉しい声。 彼女が笑うと僕も笑う。 でも、少しずつ、笑い声は泣き声に、話す声はちょっと暗い。 僕も暗くなる。 僕は少し暴れてみる。 (ここにいるよ! 僕を呼んで?) 彼女は僕を呼ぶ。 「ごめん。お母さん、自信ない。」 (ごめんて、なに?じしんてなに?) 僕はまた蹴る。 (なにか聴かせて。 はなして。) 「元気なのに。どうしよう。ごめん。」 僕の大好きな人が泣いてる。 僕も哀しくなる。 悲しいのは嫌だな。 でも、寂しいのも嫌だな。 僕がいたらいけないのかな。 僕は、もっと一緒にいたいのにな。
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