さよなら、ばぁば

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 涙が溢れ、胸が張り裂けそうだった。  生まれて初めて感じる悲しみ。 「せっちゃん、解っているんだね。だから、そんなに辛そうなんだね。  ごめんね、ばぁばもズッとせっちゃんと一緒にいたかった……」  曽祖母の眼からも涙が溢れた。 「じゃあいっしょにいて!」 「ごめんね、もう行かなきゃ。天国からせっちゃんを見守っているからね」  曽祖母の身体が透け始めていた。  あたしは祖母が此の世にもう留まれないことを察した。 「まって、ばぁば!」  あたしは大きな声で叫んだ。  曽祖母の姿がどんどん消えていく。
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