11人が本棚に入れています
本棚に追加
「せっちゃん、泣かないで、ばぁばも悲しくなるよ」
あたしの頭を、曽祖母は消えゆく手でなでる仕草をした。
「せっちゃんの可愛い笑顔を見せて、ばぁばの最後のお願い」
とても笑える心境じゃなかった。
でも、これ以上ばぁばを悲しませたくない。
幼いあたしは精一杯笑みを浮かべようとした。
でも、泣き顔のままだったと思う。
「せっちゃん、ありがとう……」
ばぁばが消える、もう二度と会えない。
「ばぁばッ、だいすきだよ!」
最初のコメントを投稿しよう!