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「せっちゃん、誰とお話ししているの?」
話しかけてきたのは叔母の好恵だった。
叔母は子供がいないせいか、何かとあたしを可愛がってくれる。
「ばぁばと」
「ばぁば?」
叔母は両親と話している祖母を振り返った。
「ちがうよ、ひぃばぁば」
叔母は顔を強ばらせた。
「え? ひぃばぁばって、さっきお経を上げてもらった?」
叔母が何を言っているか解らなかった。
「えっと、元也じぃじの家にいたひぃばぁば?」
「ちがうよ、ばぁばはウチに……」
「せっちゃん、そうだよ。ばぁばは元也じぃじのお家にいたんだよ」
あたしは曽祖母の顔を見上げた。
「そうなの?」
「そうだよ、今はせっちゃんの側にいるけどね」
「ふ~ん」
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