1人が本棚に入れています
本棚に追加
僕の18年間の人生は、この青い目によって振り回されてきた。
小学生の頃は「日本語しか話せない外人」「親父のいない弱虫」と馬鹿にされていたし。
中学生の頃も目立たないように前髪を長くして、地味な陸上部に入って息を殺して生きていた。
なのに、家から離れた高校に上がった途端、急に女子が僕に好意的になって友達が増えた。
僕のひねくれた性格を「ワルぶってていい」とか。適当な言葉でもてはやす。
確かに。皮肉にも嫌いな父に似て背が伸びて、部活のせいで足も速い方だ。
でも最後には、必ずみんな口を揃えて「目が青くて綺麗」と言う。
カラコンとやらの存在を2年生で知ったけれど、時は既に遅かった。
今まで誹謗されてきた青い目が、この後に及んで何故賞賛されるのか。
背が伸びたから?足が早いから?そのおまけで僕の目は褒められているのか。
自分を素敵だなんて一度も思ったことがない僕は、とてつもなく戸惑った。
なんでなんだ。どうして。
長い間、僕はずっとそう思い続けてきた。
でも考えすぎて、もはや何も考えたくなくなった。
放っておいてほしい。もう振り回されるのはごめんだ。
僕は、一人になりたかった。
最初のコメントを投稿しよう!