第3章 茂雄とポプラの木の庭

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茂雄はトラックを誘導する人達の声とその表情の微妙な変化を頼りに慎重に状況を読み取りながら、ハンドルの操作に全神経を集中させトラックは動いているか止まっているか位の動きでジリジリと進んだ。 ゆっくりとではあるがトラックは着実に進んだ。 もう少しでトラックの後輪がさつま芋畑のスレート囲いの横を通過しようとしていた。 茂雄の目にも鮮やかな葉の青が映っていた。 さつま芋畑の囲いは灰色の厚みのあるスレート板で出来おり、高さは三十センチくらいで茂雄が作ったものだった。 囲いとタイヤの隙間はわずかに五センチあるだろうか、 その横を少しずつ慎重にタイヤは進む。
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