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男性の危惧は現実の物となってしまう。水不足から、下流の村々では水田が干上がり、餓死者が出たのである。
そのため、上流であるこの村が、すべての水を奪ったからだと言われ、一方的に攻めてきたのであった。
「逃げてください、ここに居ては貴女まで巻き込まれてしまいます。貴女の村へ、山へと」
「貴方はどうするのですか、そんなことでお別れになるのなんて……」
「大丈夫です、環濠がありますから、守る方が有利なんです。ただ、貴女はこの村の人では無い、ここが危険であることには変わりないのです、貴女に何かがあれば、今度は貴女の村と諍いの元になってしまいますから」
「で、でも……」
女性の言葉に男性は首をふる。
「どうかご無事で、またお会いしましょう」
「わかりました、どうかご無事で」
微笑んだ男性の言葉に、そう言って頷くと、女性は村の裏から自分の村へともどっていった。
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