終章

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「これは生き残った騎士達全員の総意です」  既に眠っている騎士達もこのことは全員が知っていると、バルデックが言葉を強める。 「………そうか、どうやら一本取られた様だな」  デルは彼らの行動を咎めることなく、両手を小さく上げて降参する。 「まったく、うちの騎士団には馬鹿が大勢いたのか」 「ええ、その馬鹿な騎士達の団長なので、きちんと責任は取ってください」  バルデックが笑うと、他の騎士達も一緒になって肩を震わせ始めた。 「バルデック、お前も言うようになったな」 「ありがとうございます」  デルはバルデックと硬い握手を交わす。 「………他の騎士や、フェルラント達を頼む」  デルの言葉にバルデックが僅かに驚く。  逆にしてやったとデルの口元が緩む。 「何年一緒にやってきたと思ってるバルデック。お前はここに残るんだろう?」  騎士とデルの分の馬を合わせると1頭少ない。デルは始めからバルデックが残ることに気付いていた。  バルデックはお見通しでしたかと目を静かに閉じ、小さく笑みを返す。 「私の小隊で唯一生き残った部下をよろしくお願いします」 「当たり前だ。俺の部下でもある」  2人の手が離れる。  デルは一度だけバルデックの目を見ると、すぐに踵を返しで用意された馬にまたがった。 「行くぞ、お前達! 銀龍騎士団、出発する!」  朝日を背に、デルの声が青い空を突き抜けていく。   ―――間に合って欲しい。全ては我々にかかっている。  目指すは大都市ブレイダス。
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