星の海を渡って

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ーーー長く勤めた仕事の報酬に、いただいた屋敷に星が落ちてきた晩。年老いた胸が少女のようにときめき、盲た瞳に彼を写す事が出来ず残念だった。 彼の名はゼーレ。人ではない。あの星の海を越えて私に逢いに来た金属生命体。 そこそこ国で重要な仕事をしてきた私には介護ロボットがついていた。面倒は避けたかったのでゼーレに聞いた。介護ロボットに成り代わり偽データを流せるかと。 ゼーレは快諾した。 ゼーレは私に言った『世界を変えたいとは思わないか?』『この世界はトワには優しくないと』 知っているのと実際に聞くのでは衝撃が違った。 彼は私を知っている。知っていて世界を変えられる力があった。 盲た瞳からは涙が溢れた。年老いた分凪いだ心が ーーー私が孤独にここまで生きたのはこの瞬間のためだったんだ。と思わせた。 ◇◇◇ 私は再開を誓ってゼーレと別れた。ゼーレは人間の寿命に納得がいっていないようだったが。 彼と私のさようならの理由 (おわり)
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