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Dreaming Girl
「有村さん……」
聞き覚えのある声に振り返る。
そこに居たのは、同じ会社で働く坂上 大和さん。
切なげな表情で見つめられて緊張してしまう。
「坂上さん……?」
私の言葉に坂上さんは眉をピクリと反応させる。
少しずつ距離を詰めてきて……後ずさった私の背中は壁についた。
「さん、は辞めてって言ったよね…?」
坂上さんの手が私の顔のすぐ横に置かれる。
こ、これって壁ドン!?
「あ…でも、坂上さんの方が年上ですし…」
「ホラ、敬語も……」
心なしか、少しずつ坂上さんの顔が近付いてる…!?
「あ……」
「聞き分け悪い子には、お仕置きが必要かな…?ゆめ……」
「……め!ゆめ!」
……あれ?
「こら?!有村結愛!!」
「……あ、千紗ちゃん」
……私を呼んでたのは、坂上さんではなく……
同期の加藤千紗ちゃんだった。
「…もしかして、また妄想トリップしてた?」
……はい。
千紗ちゃんの予想は大当たり。
私にはすぐに妄想に浸ってしまうクセがある。
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