132人が本棚に入れています
本棚に追加
…早めに気付いてよかった。
恋愛経験がないから、ちょっと仲良くなっただけで期待しちゃって。
きっと坂上くんにもいい迷惑だよ!
坂上くんにとってはただの友達の一人なのに…。
昼休みになって千紗ちゃんに話しかけられた。
「ゆめ、今日ずっとボーッとしてない?」
ドキッ
「そ、そんなことないよ」
千紗ちゃんはニヤーっと笑って言った。
「もしかして、この間のデート思い出してた?」
「ま、まさか!!ただの食事だし!!」
「ホント?」
「千紗ちゃんこそ……」
「ん?あたしが何?」
……この感じだと、二人が付き合ってるワケじゃないんだよね……?
「ううん、なんでもない!お昼行こ!!」
社食に行くとすぐに千紗ちゃんが坂上くんと平井くんを見つけた。
「お疲れ~!隣いい?」
「お疲れ~もちろん!」
「ゆめはそっちね。私買ってくるから先に二人と食べといて!」
千紗ちゃんが指定したのは……坂上くんの隣……。
友達なんだから普通にしよう、と決意して座る。
「有村さんお弁当?自分で作ってるの?」
「うん、一応……」
「すげー!しかも美味そう!!」
二人に覗き込まれて恥ずかしくなってしまう。
手抜き弁当じゃない日でよかった……。
少女マンガだと、次から好きな人の分もお弁当作ってくる、みたいな流れだよね…。
はっ…違う違う!
妄想はしない!
普通に、普通に……。
「お弁当は残り物詰め込んだだけだよ~。社食美味しそうだし、私も今度社食にしようかな」
「お待たせ~!先に食べてって言ったのに!」
「千紗ちゃん、食べよ~」
普通に、普通に……。
……そう思ってたのに……。
最初のコメントを投稿しよう!