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ふぁぁ……
電車に揺られながら大あくび。
昨日は色々考えてあんまり眠れなかった…。
「おはよ、またあくびしてる」
「坂上くん…おはよう」
また見られた…恥ずかしい…。
寝不足なのはあなたのことを考えてたからなんですけどね……。
「あ、次こっちの扉開くよ」
そっと移動して、私を庇うように立ってくれる。
……ち、近い!!
それにこういう優しいところ……。
「ん?何?」
「何でもない!!」
何度否定しても、多分もう遅い…。
間違いなく自分の気持ちが惹かれてるのを感じてしまう。
「ゆめ、お昼行こ!」
「ごめん。これもう少しで終わるから、先に行っといて」
急いで仕事を片付けて追いかけると、前方から千紗ちゃんの声が聞こえた。
「まさか大和がねー!」
「声が大きいって!」
…坂上くんと一緒だ。
「あたしが、ゆめに男に対する免疫をつけてあげてって頼んだんだから」
…………え?
今なんて……?
……つまり、坂上くんは千紗ちゃんに頼まれたから私と一緒にいたってこと…………。
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