Dreaming Girl

4/51
前へ
/51ページ
次へ
千紗ちゃんは坂上さんと会話が盛り上がっている。 ボーっとする私に平井さんが話しかけてくれた。 「…有村さん?もしかしてつまんない?」 「えっ!?あっごめんなさい!!違います!私その…本当にこういうの慣れてなくて……すみません…!!」 嫌な気持ちにさせてしまったかも…と思ったら、平井さんはふっと微笑んだ。 「そんなに構えなくていいよ。また敬語になってるし」 「あ…」 「有村さんは、休みの日は何してるの?」 「えっと…映画が好きなので映画観たり…」 「映画俺も好き!最近何観た?」 …すごい!私が男の人と会話盛り上がってる!! 平井さんが話し上手なんだなぁ…優しいし…。 ……こんな人と付き合えたら、楽しそう。 映画好きだって言ってたし……映画館デートとか、おうちで一緒に映画観るのも憧れなんだよね? ピッタリくっついて…例えば後ろから抱き締められる形で座ったり…… ……それで、映画の中のキスシーンに合わせて、不意打ちでキスされて…… そのままラブシーンが始まってしまったら………… 「…さん!有村さん!どうしたのボーっとして?気分悪い?」 「あ……す、すみません!!」 またやっちゃった!!しかも男の人の前で……恥ずかし過ぎる!!! 「ゆめはすぐに自分の世界に入っちゃうのよね」 「あー千紗ちゃん!言わないでー!!」 「だって、あたしも慣れるまではけっこうよく心配したよ?この二人ともこれから仲良くするんだから、ちゃんとゆめのクセも知っといてもらわないと」 「う…………いつもご迷惑おかけしてます……」 二人は、テーブルの向こうで私達のやりとりを目を丸くして聞いていた。 ……ひ…引かれちゃったよね……? …と思ったら、坂上さんがぷっと吹き出した。 「あっはははは!何それ!有村さんって面白いんだな!」 えー!?そんなこと、初めて言われたかも? 引かれなくてホッとしたやら恥ずかしいやらで……私は終始ドキドキしていた……。
/51ページ

最初のコメントを投稿しよう!

132人が本棚に入れています
本棚に追加