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千紗ちゃんは坂上さんと会話が盛り上がっている。
ボーっとする私に平井さんが話しかけてくれた。
「…有村さん?もしかしてつまんない?」
「えっ!?あっごめんなさい!!違います!私その…本当にこういうの慣れてなくて……すみません…!!」
嫌な気持ちにさせてしまったかも…と思ったら、平井さんはふっと微笑んだ。
「そんなに構えなくていいよ。また敬語になってるし」
「あ…」
「有村さんは、休みの日は何してるの?」
「えっと…映画が好きなので映画観たり…」
「映画俺も好き!最近何観た?」
…すごい!私が男の人と会話盛り上がってる!!
平井さんが話し上手なんだなぁ…優しいし…。
……こんな人と付き合えたら、楽しそう。
映画好きだって言ってたし……映画館デートとか、おうちで一緒に映画観るのも憧れなんだよね?
ピッタリくっついて…例えば後ろから抱き締められる形で座ったり……
……それで、映画の中のキスシーンに合わせて、不意打ちでキスされて……
そのままラブシーンが始まってしまったら…………
「…さん!有村さん!どうしたのボーっとして?気分悪い?」
「あ……す、すみません!!」
またやっちゃった!!しかも男の人の前で……恥ずかし過ぎる!!!
「ゆめはすぐに自分の世界に入っちゃうのよね」
「あー千紗ちゃん!言わないでー!!」
「だって、あたしも慣れるまではけっこうよく心配したよ?この二人ともこれから仲良くするんだから、ちゃんとゆめのクセも知っといてもらわないと」
「う…………いつもご迷惑おかけしてます……」
二人は、テーブルの向こうで私達のやりとりを目を丸くして聞いていた。
……ひ…引かれちゃったよね……?
…と思ったら、坂上さんがぷっと吹き出した。
「あっはははは!何それ!有村さんって面白いんだな!」
えー!?そんなこと、初めて言われたかも?
引かれなくてホッとしたやら恥ずかしいやらで……私は終始ドキドキしていた……。
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