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☆彡
はっと目を覚ますと、煌々と燃える暖炉の火が視界に映った。
「あったかい……」
あたりを見回すとそこは天国ではなく見慣れたリビングだった。毛布にくるまれている自分の姿をたしかめ、念のために布団をはいで足がついているのをたしかめ、それでようやっと助かったのだと安堵して大きなため息をつく。
視線を遠くに送ると、キッチンで父と母が小声の会話をしていた。何を話しているかはよくわからないけれど、あかねはのっそりと起き上がり声をかける。すると父と母はすぐさまあかねの元へ駆け寄ってきて顔をのぞき込んだ。
「目が覚めたのね。もう大丈夫よ」
「まったく、あれほど注意するように言ったじゃないか。危うく凍死するところだったぞ」
「あっ、あたし、どうやって助かったの?」
「憶えていないのね。高槻くんっていう男の子があなたを運んできてくれたのよ」
「ええっ! しおんくんがっ!?」
……あれは妄想なんかじゃなかったんだ。
「あなたを抱っこしていたのを見たときは驚いたわ。あなたが家を出て行ってからこの家に来て、出かけたって話したら追いかけたみたいなのよ。ほんとうに運が良かったのね、あとでお礼をしに行かなくちゃ」
母が安堵の表情でそういうのとは対照的に、父は厳しい返事をする。
「いや、放っておけ。世界が終わるのなら聖者だって犯罪者になるんだ。他人とは関わらないほうがいいぞ。現に地球の裏側のとある国はそれで滅んだんだろ?」
「あなた、いいじゃない。命の恩人なんですから」
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