10万人目の恋人

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しばらく私は席から立つ事が出来なかった。 ついぼんやりと考えてしまっていた。 (私…一体どうしちゃったの?) ほんの数時間前に逢ったばかりの人が気になっている。 こんな事、今までになかった事だ。 (よく知らない人、なのに) だけど私は去り際、期待──していなかったか? 私の事を綺麗だと云ってくれた神無木さんは、私に何か先に繋がる事を云ってくれるんじゃないのか、と。 (云ってくれなかった…けれど…でも…) 掌にある名刺を見て、ドキドキして仕方がなかった。 (この名刺…まだ繋がっているって思っていいの?) 私は携帯を取り出し、名刺に記載されているアドレスにメールを打った。
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