プロローグ

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体が弱いのは生まれつきだろうか。同情してしまう。 「なんか大変そうですね。可哀想」 至極普通な感想だった。しかし顧問は意外なことを聞いた、という顔でこちらを見ていた。それから頭をガシガシ掻いて 「あーそうねーそうなんだけど‥」 んー、と言おうか言わまいか悩んで 「それ、本人の前ではあまり言わないようにな」 と顧問は言った。 ーえ? 今度はこちらがきょとんとする番だった。 「いや違うよ?悪気ないのはわかってるんだけどね?正直行きたくないと思ってるのにすっぽかさないで、結局見舞いにいこうとしてるお人好しだしね?」 顧問は慌ててフォローしたが、これはフォローなのだろうか。それとも貶されているのだろうか。
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