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「あれ? 七瀬さん飲めないの?」
ウーロン茶を片手に焼き鳥を食べていると、前の席に座っている松下さんにツッコまれた。
「はい、飲むとすぐに悪酔いしちゃうもんで……」
「えーっ、飲めない女子を演出しているんじゃないのー?」
「いやいや、そんなことないですー」
確かに私は飲める、というか結構好きな方だ。
でも今までに何度も失態を……。
でも今日は絶対に、そんなところを披露する訳にはいかない。
「まぁ、いっか。そういうことにしておいてあげる。あー、がんばってるなぁ柊先生」
「えっ? 頑張ってる?」
病院近くの居酒屋で開いてくれた私の歓迎会は、院長の桜川仁先生53歳の乾杯の音頭から始まって、無事私の挨拶も済んで、皆すでに飲みモードに入っていた。
松下さんは私の方に顔を寄せ、少しだけ声を潜めて話し始めた。
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