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照明が落とされ薄暗くなっている一階外来の点滴室。
指示された点滴セットを組み、酒精綿とサーフロー(血管内留置針)を秋月先生に手渡した。
「大丈夫ですか? 先生は飲んでましたよね? 私がやりましょうか?」
「大丈夫だ。点滴なんて酔っぱらっていてもできる」
確かに、さっきまでぼんやりした顔をしていたのに、駆血帯を締めた瞬間真顔になって、前腕に静脈を見つけると、なんのためらいもなくサーフローを刺し、すぐに逆血があって、流れ作業のように駆血帯を外した。
「繋いでくれ」
点滴のルートの先を留置針に繋ぎクレンメ(点滴の滴下速度を調節するダイアル)を緩めると、点滴が淀みなく落ち始めた。
「固定して」
そう言われ、用意しておいたテープで留置針とその根元の点滴チューブを固定した。
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