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「側管からミノファーゲンを1アンプル入れておいてくれ。効くかどうかはわからんが、まあおまじないだ」
そう言うと秋月先生は自ら柊先生の血圧と脈拍を測り始めて、私が指示された薬液を取りに行き帰って来ると、絞ったタオルで柊先生の顔を拭いていた。
「あっ、先生、それなことまで……。私がやりますから置いといてください」
「ありがとう」
先生はそう言うと、反対側に置かれているベッドの上に座り、壁にもたれかかった。
目は開けているが眠そうだ。
この人は、怖いのか優しいのかよくわからない。
素直に「ありがとう」なんて言葉も言うんだ……。
後輩の顔も拭いてあげたり。
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