第 1 話 の 1 出会い

3/4
前へ
/379ページ
次へ
もしかして、見られたかも……? セッシを拾うのに夢中になって、両膝が左右に大きく開いていた。 でもまあいいか、白衣の時はいつも下着の上から黒のミニスパッツを履いているし、見られたところで、あっ……、今日は着任初日で、スパッツは持ってくるのを忘れて、履いていない……。 見られたのか……。 今日はどの下着を履いてきてたんだっけ……。 恥ずかしすぎて、目が合ったことをなかったことにして、私はセッシを拾い続けた。 すると突然爽やかな風が頬をかすめ、人の手が視界の中に入ってきた。 きれいな長い指をしたその手が、セッシを拾い上げる。 それに釣られて視線を上げると、ちょっとだけカッコいいさっきの人が「大丈夫か?」と優しく声を掛けてくれた。 と思ったら、拾ったセッシをカチカチと摘み、先端にズレがないかを確かめている。
/379ページ

最初のコメントを投稿しよう!

288人が本棚に入れています
本棚に追加