第 1 話 の 2 

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前の病院に来ていたイケメンの、手術器械メーカーの男性と結婚を前提にお付き合いしていた、と思っていたのだが、そいつがもうとんでもない奴で、自分が担当する各病院で、一人ずつ女を作っていやがった。 そして最後には、こともあろうか私が勤める病院の事務の子、しかも20歳の子! にまで手を出して。 浮気をされている30前の女性を見る「かわいそうに」という視線を皆から浴びていることに気付いた時には、反射的に辞表を出していた。 もう男なんて懲り懲り、と思う反面、やっぱり子供は育ててみたい、それにはお父さんもいて欲しいし、できれば染色体異常が発生しにくい30歳までに初産を迎えたい、なんて思いが捨てきれない微妙なお年頃の若輩者なのだ。
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