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「同じマンガ部での有志、『デイジー!』でも、ジュリさまには南条空くんがいらっしゃる。オレはえんりょするよ」
神は、かたをすくめた。
「空っちは、このごろ、ジュリによそよそしいのですけど!」
愛原は、語気をあらくしながらもどこかさみしそうだと、羽生は感じた。
「三人で、帰りましょうよ、ジュリさん。空くんは、今度の文化祭用の台本でいそがしいみたいだわ」
中一四人のグループ、『デイジー!』のために、一人でこもって台本を書いている南条の背中を知っているのは、羽生だけだった。
「あの、『デイジーにささやいて』の二・五次元ぶたい化? へー、南条はがんばっているんだな。よし、オレらで、このまま『デイジー!』に寄って行こうか」
放課後は、中一梅を『デイジー!』の活動場所にしんせいしてある。
教室の前に立ち止まると、ジャンガリアンハムスターがいるかのようなカリカリとした音が小さく続いていた。
南条だ。
羽生と神がノックをためらっていると、愛原は、けたたましく入って行った。
「空っちー! 今日も愛しているかーい?」
「おおおお、おう。ジュリちゃんじゃないか」
「何、びくついているの? 他に二人いるから、今日は交かん日記とかしないよ!」
「ああああ、ジュリちゃん、そういうの言わないで」
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