デイジーにささやいて

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 一週間後、羽生は和歌花絵先生の返信を持って『デイジー!』に顔を出した。 「よっしゃー! 丁度台本もできたんだ」  南条が一番に喜んだ。 「十一月三日の文化祭にいらしてくださるって?」  羽生の報告に神はおどろいていた。 「はん! 当然」  愛原は、こんきょのない自信があるらしい。 「ぼくの台本、みんなにコピーしたから」 「南条、すごいな! うん、いいできだよ」 「空っち! 読めない漢字教えてね」 「南条くん、がんばったね」  ふおお、もえて来たと、南条があつくなっている。 「早速、練習しようか」  神が配役を読み上げる。 「野美ひなぎく役、羽生しずか。三上直役、神海。室生(むろう)つぼみ役、愛原ジュリ。ナレーション、南条空」  マンガ部有志、『デイジー!』が、ざわついた。  それぞれがやる気を持って、台本を手にした。  ◇◆◇  ――十一月三日。  愛中祭、音楽講堂を借りて、マンガ部有志、『デイジー!』による『デイジーにささやいて』のぶたいが始まろうとしていた。  客入りは上々だ。  ぶたいそでからつぼみが見に行っていた。  衣装で、ベージュのブレザーを羽織っていた。  午後一時からだ。  ブー。  『デイジー!』の順番だ。  南条のナレーションで、ぶたいは始まる。     
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